事業者免税点制度の見直し
(月刊「企業実務」2013年1月より)
消費税の事業者免税点制度の適用要件の見直しが、2013年1月1日から実施されます。事業者免税点制度は、課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、消費税の納税義務が免除されるという仕組みです。
課税期間、基準期間の意味は以下の通りです。
- 課税期間
納付する消費税額の計算の基礎となる機関。原則として、個人事業者は暦年、
法人は事業年度。 - 基準期間
課税期間の消費税の確定申告の要否や計算方法を決定するために基準とする期間。
原則として個人事業者は前々年、法人は前々事業年度。
従来、基準期間における課税売上高が1,000万円を超えているか否かが、その事業年度の消費税の課税事業者の判定基準でした。平成23年6月の消費税法の一部改正により、2013年1月1日以降、これまでの基準期間の判定要件に加えて、特定期間(個人は前年の1月1日から6か月間、法人は全事業年度開始の日から6か月間)の課税売上高が1,000万円を超えた場合にも、当課税期間は課税事業者となります。
つまり、免税事業者であるためには、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であると同時に、特定期間の課税売上高も1,000万円以下でなければなりません。基準期間の判定では免税事業者だが、その翌年(翌年度)は急に売り上げが増えたという場合には、特定期間の判定により課税事業者になる可能性もあります。
なお、課税売上高に変えて、給与等支払額の合計額による判定も可能です。特定期間の課税売上高が1,000万円超でも、給与等支払額が1,000万円以下なら免税事業者と判定することができます。